正賀流について
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昭和40年に鉤正滋(まがり・せいし)が、剣舞・扇舞(詩舞)・詩吟の教室として、大津市にて創流しました。正賀流吟舞社は、剣舞や詩吟の普及と発展に尽力し、多岐にわたる活動を展開しています。びわこ博覧会や大阪万博での振付指導、さらには東映京都俳優養成所での剣舞指導など、さまざまな舞台での功績が知られています。
昭和60年には、創流者の鉤正滋が国際文化功労賞を受賞し、その功績は政財界をはじめ多方面で高く評価されました。また、詩吟や剣舞の指導に加え、レコード集の発表や教室の運営を通じて、伝統芸能の継承と発展にも大きく寄与しています。
現在は、二代目宗家・鉤正賀がその志を引き継ぎ、門下生の育成に努めるとともに、新たな試みにも積極的に取り組んでいます。最近では、京都三条に「サムライ剣舞シアター」を開設し、国内外の観光客に剣舞を体験してもらうことで、日本文化のさらなる普及を目指しています。
ご挨拶

私と剣舞の出会いは昭和14年にさかのぼります。時は支那事変のまっただ中で、私は岐阜市に住んでいました。銃後を守るは女性の務めと思い、剣道場をたずねたつもりが、そこは剣舞の道場だったのです。直ぐに辞めるのは失礼かと思い、暫く続けるうちに、吟剣詩舞の素晴らしさに感銘を受け、やがては身も心も捧げるようになりました。
戦後、大津市に移り住んでからは、剣詩舞界では初代安倍秀風先生、富田正親先生、多田正千栄先生、吟界では初代矢間紫水先生、山崎正風先生、居合では神道夢想流中島浅吉先生、殺陣では東映剣友会主宰・的場達雄先生など、多くの先生方からご指導をいただきました。そして地元の応援を受けて、昭和39年11月に正賀流吟舞社を創流しました。会員十数人での船出でした。
以来、皆様に支えられつつ今日に至りました。
今年2025年は創流60年を迎えます。今後とも皆様のご支援を宜しくお願い致します。
正賀流吟舞社 宗家 鉤 正滋

正賀流は、昭和40年に母・鉤正滋が創流しました。以来、母と共に流派の維持・発展、そして滋賀県における吟剣詩舞の普及に努めてまいりました。これまでの歩みを振り返ると、多くの門下生や他流の先生方の支えがあったことを痛感しております。今後も更に研鑽に励み、先人達が遺した素晴らしい伝統芸能・吟剣詩舞を継承発展させていく所存です。
伝統とは同じことを繰り返すことではなく、常に革新を続けることの中にこそ、伝統なるものが息づくのだと思います。子息の逢賀と隆之介が中心となり、京都三条に「サムライ剣舞シアター」という道場を開設しました。外国人を含む観光客に剣舞を体験してもらうという新たな取り組みが、多くのメディアで取り上げられており、少しでも吟剣詩舞の振興につながればと考えています。
伝統文化を嗜む人が少なくなった現代社会においては、このウェブサイトをご覧いただいている方ひとりひとりが、日本文化の伝達者だと思います。何卒皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
正賀流吟舞社 宗家二代目 鉤 正賀

こんにちは。剣舞講師の鉤逢賀(まがりおうが)と申します。剣舞は、武道の精神と芸術(芸道)としての美しさ・深さを併せ持つ舞です。また、漢詩や和歌といった文学にも触れることができます。
私は7歳から詩舞を、10歳から剣舞を始め、24歳の時に縁あって教室の講師となり、それ以来15年以上にわたり講師として活動しています。教室でのレッスンを通じて、剣舞の技術的側面と芸術的側面を生徒さんと共に探求し、舞台で感じる緊張感や楽しさを共有できることを、日々心から楽しんでいます。
初心者の方から経験者の方まで、各自のペースに合わせた指導を行い、楽しくお稽古を続けていけるようサポートいたします。剣舞が皆様の生活の中で豊かな時間となれば幸いです。教室でお待ちしております。
鉤 逢賀 師範

こんにちは。正賀流次期宗家の鉤隆之介と申します。私の教室では、年少のお子さんからご年配の方まで、親子や三世代で一緒にお稽古を楽しんでいただいています。
剣舞は、心と体を鍛えるだけでなく、日本人らしい礼儀作法や正しい姿勢を自然に身につけながら、日本の豊かな文化に触れ、成長できる習い事です。舞台で感じる緊張感を力に変え、自己表現力や自信を高めることは、日常生活においてもさまざまな場面で役立つでしょう。また、剣舞を通じて日本文化を深く理解することは、国際的な場面でも大きな強みとなります。
これからますますAI時代が進んでいきますが、芸術は人間だからこそ意味がある分野だと思っています。剣舞を学ぶことが、お子さんや若い方々の可能性を広げる大きな力になることは間違いありません。ぜひ一度、体験にいらしてください。お待ちしております。
鉤 隆之介 師範
活動内容
各教室では月に2回~、お稽古を行っており、1年間で2作品の習得を目指しています。
年に2回以上の舞台出演の機会もございますので、興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
2月 |
研修会 様々なテーマで研修会を開催します。他の教室の方とも親睦を図る機会になります。 |
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4月 |
コンクール直前稽古会 5月のコンクールに挑戦する会員を対象とした特訓。舞台上で何度もお稽古できます。 |
5月 |
滋賀県コンクール 年齢区分で2分半ほどの作品を演じます。「誰かに評価される」という緊張感があるからこそ、細かいところにも気をつけて演舞ができるという方もたくさんいます。積極的に挑戦しましょう。 |
6月 |
おさらい会 前期に学んだ作品を舞台にのせて、作品完成の区切りをつけます。 |
7月 |
近畿コンクール 6月の滋賀県コンクールで優秀な成績を収めた方が出場できます。 |
8月 |
全国高校総合文化祭 吟詠剣詩舞部門 高校生対象。学校を通して出場することができます。2024年は岐阜県での開催。 |
9月 |
全国コンクール 7月の近畿コンクールで優秀な成績を収めた方が出場できます。2024年は、高校2年の戸田宙希さんが見事全国3位となりました! |
10月 |
滋賀県フェスティバル 企画構成の舞台に出演します。 |
11月 |
各文化祭 大津文化祭、高島文化祭、高槻文化祭、近江八幡文化祭など、各市の文化祭に参加します。 |
12月 |
教室発表会 後期に学んだ作品を舞台にのせましょう。群舞作品などに挑戦することができます。 群舞コンクール近畿地区決勝大会(隔年) 剣舞は3人一組、詩舞は5人一組で群舞に挑戦します。優秀な成績を収めると、2月に開催される全国決勝大会に出場できます。 |
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2月 研修会
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8月 全国高校総合文化祭 吟詠剣詩舞部門
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9月 全国コンクール
お稽古の様子
その他の活動
流派として、あるいは流派が所属する滋賀県剣詩舞連盟として様々な活動に参加しています。
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文化祭にて剣舞の指導を担当しています。京都産業大学附属中学校では、中学2年生の1クラスが剣舞を学び、文化祭で披露します。日本の伝統文化を伝える貴重な時間です。
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日本の漢詩発祥の地と言われる近江神宮には、吟詠の碑が建てられています。吟剣詩舞との関わりが深いこの場所で、年に1回奉納演舞を行っています。
正賀流沿革
剣舞の系譜・正賀流の創流まで
昭和20年代 |
戦後、鉤正滋は大津市に転居 神刀流の分かれである神心流(京都)に入門 |
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昭和25年 | 宗家二代目・鉤正賀 誕生 |
昭和30年代 |
神刀流から分派した正親流に移籍 正親流大津支部として指導を始める |
昭和40年 | 正賀流吟舞社 創流 |
正賀流の創流から現在まで
昭和44年 | 吟詠レコード第1集を発表 |
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昭和45年 | 大阪万博にて剣舞を披露 |
昭和48年 | 吟詠レコード第2集を発表 |
昭和53年 | 鉤正滋宗家が東映京都俳優養成所の常任講師として数年間剣舞を指導 |
昭和60年 | 創流20周年を迎え、鉤正滋宗家が国際文化功労賞を受賞 |
平成20年代 | カルチャー教室での指導や剣舞体験プログラムに取り組む |
平成25年 | 鉤正滋 「滋賀県文化功労賞」 |
平成26年 | 体験専用道場「サムライ剣舞シアター」を設置 |
平成27年 | 創流50周年記念大会 開催 |
令和1年 | 鉤正滋 「文部科学大臣表彰」 |
令和2年 | 鉤逢賀 『剣舞入門』(青幻舎)刊行 |
令和8年3月 | 創流60周年記念大会 開催予定 |
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若いころの宗家
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出番前の稽古(昭和40年)
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大阪で門下生と(昭和41年)
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大阪万国博覧会の出番前(昭和45年)
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二代目(中央)と飛龍会の門下生(昭和56年)
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飛龍会第3回発表会(昭和60年)
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昇段会の審査風景(昭和61年)
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宗家、知恩院で講演(平成5年)